時間 | 予定・活動 | 時間 | 予定・活動 | |
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13:00 | 受付 | 16:30 | 講義「家庭勤行」・夕座勤行 | |
14:00 | 開講式 | 18:00 | 夕食(非食) | |
14:30 | 班別会議 | 19:00 | 座禅止観の練習 | |
15:30 | 講義「天台宗について」 | 20:00 | 入浴 | |
放心(就寝) |
天台宗スカウト連合協議会(以下:天台スカウト)では、今回で第40回目となる天台宗仏教章第2教程講習会を、令和6年3月26~28の日程で、6年振りに比叡山で開催しました。
令和2年のコロナ感染症流行の影響を受けて、この講習会も令和2年は中止。令和3年は講義と実習に分けて実施する予定でしたが、開催間際に講習会場の県がコロナ感染防止地域に指定されてしまい流会。そして、令和4年・5年は、講義会場を東日本・西日本の会場に分け、回峰行だけ別日程で行う変則的な形で実施して来ました。そんな、工夫の年を経て、今回は以前の形態に戻しての開催を計画しました。果たして十分な参加者が確保できるか心配したのですが、参加者も20名(男17・女3)も集まってくれ、5班体制で実施することが出来ました。
久々に行われました、仏教章第2教程講習会の様子をかいつまんで報告します。
開講式
開講式は通例通り、天台スカウト理事長主導の「般若心経」の勤行から始まり、参加スカウトも最初は正座で式に臨みました。始まって5分ぐらいでお勤めは終わりましたが、その頃から正座に弱いスカウトはモゾモゾとし始めて、続いて理事長の開講挨拶の中盤で、正座の辛い人は「足を崩して下さい」とのお言葉・・・正に救いのお言葉です。
会場が畳に座布団が基本ですので、講習会中は正座をする時間が多くなります。2泊3日の講習会は正座による足のシビれとの戦いという、普段のスカウト活動とは違う困難があるかも知れませんね。
班別会議
少し足がシビれた開講式に引き続き、20名の参加者は5つの班に分かれて、班別会議を行って班長次長を決めました。班長次長には、この講習会中は、朝夕の勤行の導師が当番として回ってきますので、この班別会議はかなり重要です。
それと、少し残念なことかと思いますが、2泊3日の研修期間に講習に集中して貰うために、スマホは一括して事務局が閉講式まで預からせて貰いました。この講習会中はデジタルデトックスとなるのでしょうか?。
講義「天台宗について」
その後、会場である延暦寺会館での諸注意を聞いて、15時半から第1の講義「天台宗について」です。160畳位の大広間を二つに仕切って、半分は座学用の場所、半分は実習用の広間として活用します。
第1の講義では、最初から足を崩すのでは無く、出来るだけ正座に挑戦して講義を受けるように指導があったようです。正座を続けて足が痛くなったら、足を崩し、しびれが治ったらまた正座に戻すの繰り返しで、頑張って講義を受けています。
講義「家庭勤行」・夕座勤行
引き続いて16時半からは、家庭勤行の実習です。参加各スカウトは皆、第1教程終了者ばかりですのでお経はある程度習って来ている筈なのですが、果たしてどこまで出来るか期待大です。
前述のように講習会中の勤行では、班長が導師になり、次長が木魚や鐘などを打つ役を担当して、スカウト皆をリードします。
多分、第1教程の時は、指導するお坊さんが皆をリードしてくれて、スカウトは皆でお唱えしていたので、一人でリード役を務めたことは無かったのかと思います。それを講習会では班長次長となったのだから、急にやれと言われるのですから、最初は気持ちの面でついて行くのは難しいかもしれませんね。
講習時間は1時間もありませんので、各5班の班長次長が勤行の一部分でも練習できるように交代で、勤行前の準備~勤行~片付けまで一通り練習してみます。
夕座勤行の本番では、1班が当番班でした。短時間の練習だったのでうまく出来るか不安でしたが、班長次長がよく協力して最初の勤行は上手く出来たと思えます。
夕食(非食)
比叡山は仏教修行の山なのでご飯は全て精進になります。
第1日目の夕食の献立は、白米におすまし、野菜の焚き物に、ゴマ豆腐。しかし、ゴマ豆腐に付ける醤油や辛子は付居ていません、素材の味を味わうためでしょうか?
比叡山では食事も重要な行の一つと捉えます。ですから食事中といえ、私語も、食器を置く音も、食べ物を噛む音も厳禁です。まさに沈黙の行です。そしてここでも正座が基本です
少し食事の量が少ないかも知れませんが、普段は余り意識しない、空腹を感じ、食事の有り難みを実感して貰うのも、この講習会の特色かも知れません?
そして、食事の前の説明にもあったように、漬物とお茶を最初に全部食しては行けません。食事が終わった最後に、漬物とお茶で、きれいに器を洗うのが、ここでの作法になります。全ての食べ物を無駄なく頂く、そして洗い物の手間を少なくする気持ちからだと思います。
最初はなかなか要領を得ませんが、何度か繰り返すとキレイに食べることが出来ます。
座禅止観の練習
夕食後は翌早朝に根本中堂で行う座禅止観の行い方に関する説明と実習です。
座禅と言えば厳しい修行のようなイメージがありますが、実際はそうでは無く、座禅は自分の気持ちを整えるために行う、深い呼吸法である事を学習します。
先ず座禅に入る前に、柔軟体操のように身体を伸ばし、次に姿勢を整えると、吐く息・吸う息を調えて、やがて背筋を伸ばした姿勢でゆったりと座って、自分の呼吸だけに集中する。
そんな座禅に入る手順を解説してもらいながら実際に座禅へと進んで行きました。この時は5分ほどの短時間練習で座ってみます。
また座禅の最中に印象的なのは棒(禅杖)で強く打たれている光景ですが、この禅杖でたたくのは、気を抜いて座禅している人を戒めるん為に罰則として叩くのではなく、背中を支えている筋肉を禅杖で心地良く叩く事により身体の緊張を和らげる効果を狙っての事で有ると説明を受けて、少し安心して禅杖を受けることが出来そうです。
明日は午前5時半から、比叡山の中心道場である根本中堂に移動して座禅止観の実習となりますので、第1日目は午後9時までに入浴を済ませて、早めに就寝でした。