第40期仏教章第2教程講習会 2日目

時間予定・活動時間予定・活動
05:00起床12:00正食(昼食)
05:30実習「座禅止観」13:00諸堂巡拝(東塔・西塔を中心に)
06:30根本中堂で朝勤行15:30実習「仏歌による勤行・仏教讃歌」
07:30小食(朝食)16:30タ座勤行
09:00実習「写経」17:00入浴
10:00講義「比叡山の修行」18:00非食(夕食)
11:00講義「伝教大師の伝記」18:45回峰行の諸注意
20:00放心(就寝)
第2日目 3月27日の日程

座禅止観の実習

座禅実習 根本中堂に向けて移動する

昨日は夕食後、座禅の基本を教えてもらい短時間座禅実習を行いましたが、本日は5時に起床し、5時半から根本中堂で昨日学習した座禅止観の本格実習です。

講習会場である延暦寺会館内は宿坊ですから暖房も良く効いていて館内では半袖で過ごせるほどですが、会館を一歩出ると、そこは標高600メートルの比叡山山中、雨上がりの湿った冷気が全身を包みます。無言で列を組んで坂を上り、座禅会場である根本中堂へと向かいます。
根本中堂の中陣に間隔をとって座り、昨日の指導に従って柔軟体操をして身体の緊張を和らげ、息を大きく吐いたり吸ったりを繰り返して呼吸を整え、座った状態で背筋を伸ばして動きを止めると、自分の呼吸の数を数える数息観に入り気持ちを集中させます。
不動の姿勢で深く呼吸を繰り返すだけの事ですが最初の間は、緊張の為に肩に力が入りすぎて呼吸がなめらかにすることが出来ません。思わずため息をつくような呼吸になったり、生唾が出てきて飲み込むと、ゴクリと大きな音が出たりで、静かに座ることですが、難しく感じます。
5分たち、6分たち・・・我慢して座って居ると、一体どれだけ長く、この苦しい姿勢を続けなければならないのか、根本中堂内の冷気が足腰や襟元から入り込み、座禅の苦しみに寒さが加わり1分1分がえらく長く感じて、嫌気が沸き起こって来ます。


そんなタイミングを見計らってか?指導員の方が鐘を小さくならすと、おもむろに立ち上がり、棒を手にしてスカウトの前立ちます。スカウトに合掌をさせて前に俯かせるとパン・パン・パンと小気味良い音で片方の背筋、続けて反対側の背筋を禅杖で打ちます。一人が終わればその隣のスカウトを打ち、更に次のスカウトと順番に回ってきて、遂には自分の番となりました。
肘を組んで前に倒すと、指導員の方が傾きを微妙に調整して、背中の右、左と禅杖で叩かれます。すると、今までガチガチに力んでした身体が少し力が抜けてゆったりと出来たような気がします。・・・そういえば呼吸の数を数えるのを忘れていたようです。


全員が禅杖を受けると、もう1度鐘が鳴り一旦、呼吸の数をリセットして、最後は5分程度座りました。ただ単に、板場の上で足を組んで呼吸に集中するだけの事だけど、最初は身体に力が入ってとてもゆったりとした気持にはなれませんでした。身体の力を抜いて座れるようになるには、少し回数を重ねる必要が有るみたいです。

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朝食

この講習会で最大の楽しみでもあり、反面、苦痛なのが食事。
昨日の夕食のようにおかずの品数は少ないし、ご飯の大盛りやおかわりも出来ないので、直ぐにお腹が減ってしまう。その上ここでは間食も無いし、買い食いも出来ない。けれど、お腹が減った時に食べる白ご飯の味わいはまた格別なので、食事が待ち遠し。
けれど、ここでは、食事は沈黙の行と言うことで、食器の置く音や食べる時の音も出ないように気を使わなければならない。その上、食事の間の20分ぐらいは薄い座布団の上に正座。正座に不慣れないスカウトにはこれがまた辛い。
で、楽しみでもあり苦行でもある朝ご飯の時間となり、出てきた朝食は、比叡山の定番「お粥」。お粥が出てきて喜んだスカウトが居るかどうかは分かりませんが、家でおかゆを食べるのは、普通カゼを引いた時ぐらいでは無いでしょうか?
そして、そんな時はスプーンで食べるのだろうけど、ここではズルズルと音を立て無いように、お箸でいただきます。
器に盛られているお粥の量は多くないので直ぐに食べることは出来たけど、お椀に残ったお粥のぬめりを取るのには一度では取れなくて、何度も沢庵で洗わなければならないので、少し苦労していました。

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写経と座学

朝食の後、第2日目の午前中は座学が中心です。

先ずは、写経を一時間、比叡山紹介の動画鑑賞を小一時間、その後、伝教大師の伝記について一時間学びました。写経は短いお経文だけど、墨汁を使わずに水から墨をするなんて、小学校以来かもしれない。午前中の座学も終わり、昼食を迎えます。

食膳に着くと、仏教章講習会にの学習内容に相応しい超シンプルにして必要充分なこの内容。
昨夜はお汁・焚き物・ごま豆腐が付いてたよね、今朝でもお粥にお汁・和え物・ひじきが付いてた。お昼は炊き込みご飯とお汁だけ・・・これって一汁一菜ならぬ、一汁一飯だけ・・・、本当にこれだけですか?と質問したくなる気持ちも分かります。
当然、おかわりも無いので、提供されているご飯を有り難く一口一口良く噛んで、食材のうま味をじっくりと味わいます。でも時間をかけて味わいたいところだけど、時間をかけて正座が続くと足が辛い。

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諸堂巡拝

気温は低いものの晴天となった第2日目の午後、最初の実習は比叡山延暦寺のことを深く知るために山内の各お堂を参拝して回る諸堂巡拝です。昨日の午後1時から始まった講習会で、参加スカウトは今までに余り経験したことの無い事の連続で、緊張と正座の苦しみにずっと耐えてきました。ここで、少し屋外を歩き回れることで、幾分か気分転換が図れると思います。
延暦寺会館を出て、文殊楼・大講堂・戒壇院と東塔の主立ったお堂を案内いただき、各お堂では引率のリーダーから詳しく説明を受けました。その後、東塔から、浄土院や釈迦堂がある西塔へと向かいました。
往復で4キロほどの道のりでしたが、日の光を浴びながら自然の中を歩いて気分転換が出来、また2日目深夜に出発する回峰行の足慣らしも出来たように思えます。
諸堂巡拝の最後に回った東塔の平和の鐘(鐘楼)では、各班ごとに鐘楼の中に入って班長がつく鐘に合わせて願い事をしていました。みんなの願いが成就すれば良いですね。

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実習「仏歌による勤行」

昨日から講習会場に缶詰状態でしたから、諸堂巡拝で外の空気にふれて、緊張も少し解け、気分もリフレッシュしたかと思います。次に受けるのは「仏歌による勤行」、仏教賛歌の実習です。般若心経以外に大きな声出して、歌って、すっきりとしてください。
大津第12団でスカウトの鼓笛隊も指導されているリーダーがキーボードで伴奏しながら指導いただき、普段は余り触れることが無い仏教賛歌やパーリー語による三帰依文を練習しました。また、国歌「君が代」もこの場で改めて練習し直してみました。

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2日目の夕食

2日目の昼食は、炊き込みご飯におつゆ+漬物というシンプルな内容でした。それに比べると1日目の夕食は品数が多かったように思います。回峰行も控えている事も有るので、今夜の夕食は品数が多い食事になるように期待するところですが・・・
何と夕食は意表を突いて(精進)カレーライス。精進ですからお肉の代わりに入っているのは、油揚げ(だと思う)。弾力や歯ごたえをお肉らしくするために、再度、揚げてるなり何か加工してある感じです。
思いもしない嬉しいことには、昨日の夕食から3回、沈黙の行としての食事が続き、真面目にその指導に従った事を評価してくれて、今晩の夕食に限っては、食べる時に出る音を余り気にしなくても良いという事でした。勿論、私語やわざわざ大きな音を出すのは御法度ですが・・・
更に加えて、カレーとご飯のおかわりも沢山準備してあるとのことです。
今までの空腹は、この時の喜びを最大限に実感させるための演出だったのか?・・・と深謀遠慮に敬服しました。
と言うことで、夕食が始まって3分もすると、部屋の隅に準備されていた大鍋の前には長蛇の列出現。見ていると、2回山盛りのおかわりに通ったスカウトも居たみたいで、沢山食べるのは良いけど、お腹がビックリしないか心配です。

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回峰行についての説明

夜は、3日目未明出発の回峰行の説明や諸注意の時間です。前半の20分ほどは、千日回峰行の様子を記録したビデオを見て、後半はスカウトからの質問を受けたりしました。
回峰行のビデオの中で、行者が白装束で短刀を携えているのは、行の継続が困難になったときに切腹するために持っているとの説明があるのですが、それを聞いて今回の回峰行中に歩けなくなったら、どうなるのか?そんな事を心配していたスカウトも居ました。
その他には、コース上にはトイレ設備が充分にあるか?とか、本当に途中で歩けなくなった場合のサポートはあるか?とか、単なる夜間ハイクでは無く行の一つとして行う事を強調されていたので、すこし不安を感じていたかも知れません。
さて、2日目の夜は、翌未明3時の出発に備えて、午後8時過ぎの就寝となりました。直ぐに寝られると良いのですが

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