スカウト運動について

スカウト運動は、1907年にイギリスで発足し、100年以上の歴史を有する青少年の社会教育活動であるとことは良く知られています。スカウト運動の最終の目的は、良識や豊かな人間性を身につけた「良き社会人」を育成することと言えます。

その為スカウト活動では隊や班という小さな社会を構成し、日常を離れたキャンプやハイキング等野外活動の中で、与えられた課題や遭遇する(自然の)困難等に、スカウトの「ちかい」や「おきて」を大切にして、互いに知恵を出し合い協調・協力して、その小さな社会が楽しく円滑に運用できるよう、自分達自身で問題解決させる形の活動を心がけています。

スカウトの「ちかい」と「おきて」

  私は、名誉にかけて、次の3条の実行をちかいます。
	1. 神(仏)と国とに誠を尽くしおきてを守ります。
	1. いつも、他の人々をたすけます。
	1. からだを強くし、心をすこやかに、徳を養います。

					(「ボーイスカウトのちかい」から)
	1.スカウトは誠実である
	2.スカウトは友情にあつい
	3.スカウトは礼儀正しい
	4.スカウトは親切である
	5.スカウトは快活である
	6.スカウトは質素である
	7.スカウトは勇敢である
	8.スカウトは感謝の心をもつ

					(「ボーイスカウトのおきて」から)

スカウト運動と奉仕

スカウト団体のことをよく「ボランティア団体」と言われることがありますが、そこには少し誤解があります。
確かにスカウト運動では「奉仕活動」を重要視していますが、スカウト活動の目的が「良き社会人育成」と見るならば、一人前の大人として、他人の為に「奉仕する心」くらいは身に付けていて当然の徳目だとスカウト運動では考え、普段の活動の中でも奉仕活動にも力を入れています。
しかし、あくまで目的は「良き社会人」の育成であって、「奉仕活動」はその行為を当然のことと教える訓練課題の一つ、「奉仕する心」を身につけさせる手段と考えます。

スカウト運動と信仰

スカウト運動では「奉仕」と並んで、「信仰」も重要視しています。
ボーイスカウトの創始者、イギリスのベーデンパウエル卿はその著書『スカウティング フォア ボーイズ』の中で「宗教と言うものは、少年に教えることが出来るものであり、教えなければならない・・・」と青少年の人格形成の上で、宗教・信仰の持つ重要性を説かれています。

また、ボーイスカウトのちかいの最初に「神(仏)と国とに誠を尽くし」と挙げられている如く、スカウト運動では「信仰する心」は「奉仕する心」と同じく、「良き社会人」として当然、身に着けておくべき徳目と考えています。