第40期仏教章第2教程講習会 3日目

時間予定・活動時間予定・活動
02:15起床08:30回峰行 明王堂
03:00回峰行 出発10:45講義「第3教程のアプローチ」
04:00回峰行 西塔~横川11:30閉講式
05:00回峰行 横川~坂本12:00解散
07:00回峰行 無動寺坂
第3日目 3月28日の日程

回峰行出発

3日目は午前3時の回峰行出発に備えて、午前2時過ぎに起床。直ぐに身支度を済ませます。天気の方は昨日の昼から晴天となり、本日の夕方ぐらいまでは雨の心配も無さそうです。

しかし、気温に関しては、余り上がらず、スマホの天気予報では、朝方の最低気温は比叡山で0度。宿舎である延暦寺会館内は空調が良く効いていて未明の時間帯でもほんのり暖か。なので、外の気温の判断が付きにくく、窓を開けては外気の温度を実感して、暖かな格好で集合した方が良いのか?軽めの防寒で歩こうか?と思案していたスカウトも居ました。

それぞれに防寒着を着込んで、午前3時に会館前玄関に集合。しばらくストレッチをして身体を慣らすと早速に出発。

出発して直ぐに根本中堂上の広場で、白装束の回峰行者さんの姿が見え、一同少し離れた場所でしばらく待機。我々が歩いたのと同じ日に、比叡山の回峰行も今シーズンの幕開けでした。それで、今年歩き始めた行者さんが先輩阿闍梨さんについて、比叡山内200カ所以上有る祈りを捧げる箇所を確認して歩かれていました。阿闍梨さん・行者さんが根本中堂へ降りられたのを確認して、先に進ませて貰いました。

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回峰行 西塔~横川

スタートして暫くは、昼間歩いた諸堂巡拝のコースを浄土院・釈迦堂まで歩いて行きます。途中、浄土院では門前で当番班長指導によるお勤めを実施、その後、西塔の釈迦堂でも次の班長主導によるお勤めを重ねて、先に進みます。西塔までは舗装路や砂利が敷かれた林道で割と歩きやすかったのですが、以外とハイペースです。
午前3時に出発して、休憩も食事時間も含めて、6時間の内に距離にして約16キロ、標高差600メートルを下り、そして直ぐに600メートル登るコースを歩き、帰還する予定ですので、早足で歩けるところは、かなりのハイペースで移動します。
午前5時過ぎの日の出までは、懐中電灯で足下を照らしながら進んで行きます。早足でも道幅の広い林道などは歩きやすいのですが、細く険しい山道になると、木から落ちた枝や、はみ出した根っこ、こぶし大の石などが踏み出す足下にあり、足を取られて転ばないように進むのに神経を集注して歩き進めます。

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回峰行 横川~坂本

途中、横川の元三大師堂で暖かなお茶を振る舞ってもらい、そこから先は日吉神社の奥宮を目指して山を下っていきます。

5時半に神宮寺跡辺りで大分明るくなり、奥宮に到着した頃には夜が明けていました。ここからは麓の日吉神社に向けて、砂利道の八王子坂を一気に坂を下っていきます。延々と続く急な坂道で、膝が悲鳴を上げそうな気がします。

坂本の町の降りたのが午前6時半。まだ静寂が包む市街をあるいて朝食が準備してある天台宗務庁へと向かいます。
朝食は、お茶とコンビニおにぎり。おにぎりを3つも食べられるか自信がありませんでしたが、ほとんどのスカウトは残さずパクッと完食していました。

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回峰行 無動寺坂

さて、ここからは最後の試練である無動寺坂の上りです。この坂は標高差500メートル程を登っていくのです、前半は林道の上り道が延々と続き、その後、道は山道となり横方向に向かってクネクネと上り下りして無動寺谷の最下部に至り、沢を横切って最後の崖を登ると玉照院と言う無動寺の一番下にあるお寺の境内に出てきます。
ここから最後の休憩地である明王堂まではあと一息ですが、なかなか次の一歩が出てきません。スカウト達の列も長く伸び、先頭は既に明王堂に着いて一休みしているかも知れません。白川砂が敷かれ掃き清められている参道を膝が余り上がらない足取りで進み、急な階段を手すりにしがみ付いて登ると、次の階段が現れる。ゴールは目の前ですが、なかなか近づくことが出来ません。

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回峰行 明王堂

列の最後尾の私は石段脇の手すりにしがみ付き、片方の手で膝を持ち上げるようにして歩んで、ようやく明王堂まで辿り着くことが出来ました。勿論スカウトは、先に着いて元気に全員の到着を待っています。こちらでは最後のお勤めをして、ここで一枚記念写真を撮影しました。
過去の仏教章第2教程講習会では、比叡山という場の雰囲気におされて緊張し、それが我慢の限度に達して体調不良を起こして回峰行に参加出来なくなるスカウトや、回峰行中に足を痛めて途中から伴走車のお世話になるスカウトも良くいました。
しかし、幸い今回は誰一人途中からの脱落者も無く、参加スカウトが全員元気に全ての課題をやり遂げました。回峰行の最後に移した記念写真には、課題をやり遂げ、自信に満ちた良い笑顔で写っていました。
ここでも、ペットボトルの飲料を頂き、少し元気を付けると、あと高低差50メートル程登れば、比叡山ケーブルの延暦寺駅に着きます。そこから講習会場までは平坦な道を少し進むだけです。

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講義「第3教程のアプローチ」

延暦寺会館には、予定通り午前9時に帰着。スカウト達は延暦寺会館が準備してくれた朝風呂に浸かって汗を流して後は、一休みしたい・・・ところですが、第2教程講習会参加の感想文書きがまだ残っています。
その後は、最後の講義「第3教程のアプローチ」です。
今までは、地元地区での第1教程、そして比叡山での第2教程と進んできたわけですが、第1~2教程は講習会という学習や実習の場を、周囲が準備してくれてスカウトはそこに参加して、スケジュールに合わせて体験を積めば、それで良かったのです。
しかし、第3教程は今まで学んだ勤行・座禅止観・写経等の活動を日常生活内で実践する事と、「他に奉仕する精神」を元にして、地域や指導してくれた地元の寺院に奉仕する活動を3ヶ月間継続して、その実績を周囲に認めて貰わねばなりません。
この第3教程の取り組みが一番難しいことは誰でも分かることかと思います。
講義では、ご自身も昔、仏教章を取得した指導者が、皆の前に立って、第3教程で扱う事柄やテーマ、そして第3教程の取組が途中で挫折しないための工夫やヒントを話してくれました。
是非とも講義内容を参考にして、多くのスカウトが第2教程で終わるのでは無く、第3教程に進んで仏教章を手にして欲しいものです。

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閉講式

3月も下旬となれば、比叡山でも少し春めいて暖かな感じになるのですが、今回の期間中はまだ肌寒さを覚える中での講習会開催となりましたが、参加スカウト全員体調を崩すこと無く課題を全てクリア出来ました。
参加スカウトに取っては、今回の仏教章第2教程講習会参加は、富士スカウト章取得に向けたステップの一ステージかも知れませんが、この第2教程講習会で実習した事はこれからも学生生活を続け、やがては社会人として成長していくスカウト達にとって役に立つヒントが隠されていると思っています。

例えば、講習会中に10回以上お唱えした般若心経は、何らかの壁に直面したときに、繰り返して唱えることで、勇気や元気を与えてくれます。また、その経文を筆で写す写経は、集中力を高めたい時に役に立つ方法だと思います。そして、これから幾つも待ち構えて居る試験等の場面で緊張を和らげるには、座禅止観で学んだ呼吸法を実践すれば、効果が直ぐに実感できるかと思います。
2泊3日の間、比叡山で固苦しい生活を乗り越えてきたのですから、第3教程の実践では、比叡山で学んだことの中から自分に会ったものを選び、繰り返し磨いて自分の身につけてください。必ず将来、人生を力強く生きるためにアイテムとして役立つ時が来ると思います。
参加スカウトの皆さん、お励みください。

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